雲の流れと自然の愉しみ(日がな一日雲を眺めて暮らしたい)

天気や身の回りの植物や鳥たちなどを、歳時記的観察眼で記録していきます。 時々、我が家の愛猫”ハル”の日常も・・・。                佐渡ヶ島が見える海の近くに住んでいる気象予報士(No.1341)のブログです。

カテゴリ: 雪形

5月の連休中、新発田市付近から間近に望める二王子岳と蒜場山の雪形の状況を観察した。
七の字
(2021年5月4日 新発田市菅谷から見た 二王子岳北西面)
山頂の左下に「七の字」の雪形が見える。
逆さ男
(2021年5月4日 新発田市小豆から見た 二王子岳南西面)
山容の大きな二王子岳には、非常にたくさんの雪形が現れるが、その中でも最も名が知られているのが「逆さ男」の雪形。両足を広げて逆さになっている姿として見えている。
杁形
(2021年5月4日 新発田市小豆から見た 二王子岳南面)
二王子岳の南に連なる峰の直下に現れる「杁形」。
鷺の首とカタツムリ
(2021年5月4日 新発田市赤谷から見た 蒜場山西面)
左側は、鷺が両翼を広げた形で細長い首を伸ばしたように見える「鷺の首」の雪形。
首がもげると、山にゼンマイ採りに入る頃とされる。
右側は、「カタツムリ」のように見える雪形。
これが見られるようになると、里では田植えの準備に忙しくなるとされている。

〔参考:斎藤義信「図説雪形」〕



本州の南海上の高気圧に覆われ、全国的に気温が上がった。
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当地もよく晴れて、日中の最高気温は21℃台と昨日よりも6℃以上高くなった。
二王子岳などの雪形を見に出かけてきた。
山麓は新緑となっているが、標高1000m以上にはまだ残雪が多く見られる。

山にまだ残雪があるこの時期、麓から見上げると、残雪と山肌の白黒の
コントラストによって動物や人の姿などが描かれる、雪形と呼ばれる造形
を見ることが出来る。

雪形には2つのタイプがある。黒い山肌の中に残雪の白色で造形が描かれ
るポジ型と、白い残雪の中に黒い地肌が現れ造形が描かれるネガ型だ。

積雪の多い当地の山々は、国内でも雪形がたくさん見られるところだ。

一つの山に複数の雪形が見られることも珍しくなく、地元研究家の分類
では、大きな山容の山では20以上の雪形が存在するところもあるようだ。

この冬は大雪となったが、2月以降は気温が高かったことから雪解けが
早めで、雪形の現れも10日から2週間程度早くなっているようだ。

ただ、標高の高い山の本格的な雪解けはこれからで、雪形が見られるよ
うになるのは5月に入ってからになりそうだ。

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粟ガ岳(標高1293m)を西麓から見る。〔2021年4月16日〕
雪が融け、雪形が現れ出した。
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守門岳(標高1538m)を北麓から見る。〔2021年4月16日〕
こちらはまだたっぷりと雪を纏っており、雪形が現れるのはもう少し先となる。
粟まき婆さん
粟ガ岳の西面には、山名の由来ともなったネガ型の「粟蒔き婆さ」が残雪の中に現れ出した。
牛形
同じ粟ガ岳を北麓から眺めると、北面には同山の別名である牛形山の由来となったポジ型の「牛形」が現れてきた。
種子まき入道
粟ガ岳の北に連なる白山には、ネガ型の「種蒔き入道」の姿も見えてきた。

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今日も晴れて、海沿い以外は日中気温が25℃を越える夏日となった。3日続けての雪形撮影に出掛ける。自宅から1時間程走ると、自然豊かな山の懐に入り込むことができる。当地の山は日本有数の豪雪地帯にあり、標高1200〜1500m程の山でも、この時期かなりの雪が山頂周辺には残っている。この残雪の「白」と山の地肌の「黒」のコントラストが、人や動物などの姿となって山裾の人々から望見され、田植え仕事などの「自然暦」としてかつては利用されていた。特に山容が大きく平野部からよく見える、二王子岳、粟ヶ岳、守門岳などは、一つの山体に複数の雪形が現れる望見のメッカである。
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二王子岳(新発田市小豆付近より)
有名な「逆さ男」は未だよく見えない。
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蒜場山(新発田市上赤谷付近より)
頂上よりやや左下に「鷺の首」がはっきり現れてきている。
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気圧の谷が西から近づいてきて、天気はゆっくり下り坂。午前中はほとんど雲が無かったが、午後、次第に上層の雲が増えてきて飛行機雲も長く空に残るようになってきた。明日の予報は「曇りのち雨」となっている。



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関東方面の雄大積雲(三条市付近から南東方向を望む)

今日も雪形の撮影に出掛ける。昨日とはうって変わって雲がほとんどない快晴状況で視程もよい。ただ、南東〜南の方角では、仰角のかなり低いところに白いが厚い雲が広く湧いている。関東方面で発生している雄大積雲・積乱雲が見えているようだ。上空に寒気が入り込み、関東などで降雹・大雨などが記録されたが、その原因雲が遠望されたようだ。
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当地は、日中でも18℃程度と気温は低めで、頭上には全く雲が無い。守門岳、粟ヶ岳などの山容がはっきり見え、雪形も観察できた。
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守門岳北面(三条市森町付近より)
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粟ヶ岳(加茂市宮寄上付近より)




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