雲の流れと自然の愉しみ(日がな一日雲を眺めて暮らしたい)

天気や身の回りの植物や鳥たちなどを、歳時記的観察眼で記録していきます。 時々、我が家の愛猫”ハル”の日常も・・・。                佐渡ヶ島が見える海の近くに住んでいる気象予報士(No.1341)のブログです。

カテゴリ: 歳時の記

高気圧の中心は本州の東海上に去ったが、全国的にまだ晴れているところが多い。
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(夕暮れの空)
当地は、今日も雲が全くない快晴の空となった。
日中気温が上がり、20数日ぶりの真夏日となった。
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今日は中秋の名月。煌々と月明かりが射す。

週末になると早く目がを覚める。

時計を見ると、ちょうど日の出の頃。

寝室のカーテンの隙間から外を覗き、よく晴れているのを確認すると、すぐ
に着替えにかかり5分後には玄関のドアを開けた。

顔に当たる、やや湿って冷ややかな春の空気。

住宅街を内陸方向に、砂丘地の峰を越えるように歩いていく。

線路をくぐり、緩やかに曲がる西川を渡っていくと、やがて田んぼの広がる
田園風景にたどり着く。

春耕にはまだ早い田んぼの畔には、土筆がにょきにょきと背を競い出してい
る。

頭上には少し白けた青空が広がり、弥彦・角田の山々は朝霧に霞んでいた。

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(西川の朝景)

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(畔の土筆)
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(霧に霞む弥彦角田)

我が家の庭で雪割草が咲き出した。

十年以上前に山間部の道の駅で購入したものだが、毎年早春の庭先で、どの植物よりも真
っ先に花を咲かせる。

枯れ草色の単調な色彩の庭で、ぱっと目に飛び込む鮮やかな花の色。

花弁と思っているものは植物学的には本当はがく片で、赤紫や白色など変化に富んでいる。

今朝は雨降りの中で皆俯いていたが、雨が止むとすぐに上を向き出し、写真に笑顔で写っ
てくれた。

家から近い角田山は雪割草の自生地として名高い。

日当たりの良い斜面では、もうかなり咲き出している頃だろう。

来週は野生の雪割草を見に行こう

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秋は「深まってきた」、春は「まだ浅い」という言い方が、季節の進み具合を表す言葉と
してよく使われる。

夏や冬には使うことのない春秋に限られたこの「深い」「浅い」の使い方は、季節の変化
というものが、たくさんの事象・要素の積み重ねで実感できるようになる、ということを示
しているようで面白い。

 その事象・要素とは、例えば日脚の長さであり、日々の寒暖・降水の変化であり、身の周
りの動植物の動向である。

日本海側の海岸平野部に住む人間にとって、冬という季節が一年の季節の中で最も特徴的
と感じられるのは、雪が降り積もる寒い時期ということよりも、曇天が続き日照時間が極端
に少ないという点である。
 明るさの乏しい日本海側の冬は、緯度の高いヨーロッパの冬と同じような、暗く陰鬱なシ
ーズンだ。

3月に入り、光の量は日に日に増してきて、視覚的にはかなり明るくなってきた。
 しかし、天候次第でその印象はかなり違ってくる。
 今日のように一日中曇天となり気温が上がらなければ、春は遠退いたように感じられる。
 季節の進みは一進一退、春はまだ浅い。
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(雲に覆われ陽射しの無い空)

二月は、いつもの月より少ない日にちの中に、ふたつの季節を包含している。

月初めは未だ極寒で、周囲の景色全てが雪氷に覆われ、たまに庭木に訪れる
シジュウカラやヒヨドリなどの囀りが、かろうじて無機の世界ではないことを
教えてくれた。

冬至を過ぎると、日脚は日ごと確実に延びているはずだが、曇天が続くここ
日本海側ではそれを実感することは難しい。明瞭に陽光が増してきたと感じら
れるようになるのは、半ばを過ぎた頃からか。

二月も終わりに近づいたある日、冬の間はなかなか近づけなかった海岸へ行
ってみた。

 我が家からゆっくりと歩いて10分ちょっと、住宅街を抜け、数百メートルの
幅のクロマツの防風林を横切り、海岸線に平行に走っている国道を越えると、
もう海を見下ろす砂山の端に着く。

砂山は季節風の影響で、冬の間にひと際高く成長していた。
前に来たときは、大雪の後で一面スキー場のような雪の原だったが、今はすっ
かり雪が無くなり、砂ぼこりが舞う春の海岸の姿に変わっている。

 波打ち際からかなり入り込んだところまで流木や漂着ごみが堆積しており、
冬季の日本海の波の大きさを見ることができる。
 砂の表面には、尖った小さな盛り上がりがたくさんできていた。
これは、鳥取砂丘では「砂柱」と呼ばれている微地形で、
降雨の後に風速
12m/s以上の強い風が吹くと形成されると言われている。当地では通常、
夏~秋の台風通過後で見られるが、積雪が無くなり強風の吹き荒れる早春
にも現れ易い。海浜の景観からも、春が来たことが感じられた日となった。
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(高くなった砂山)
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(流木や漂着ごみ)
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(砂柱)






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